一片ずつ、磨く小腸
毎朝五時、市場から届く小腸を、職人が一片ずつ手で磨き上げます。流水と粗塩で四度、最後に焼酎で一度。下処理に三時間。だから、噛んだ瞬間、臭みは一切なく、脂の旨みだけが舌に残ります。機械洗浄は一切しません。

昭和五十三年、博多・中洲。初代・蔵田源三が「もつ鍋 蔵元」の看板を掲げました。当時、もつは安く扱われる臓物。それを、ごちそうにしたい——その願いから、蔵元は始まりました。
選ぶのは九州産黒毛和牛の小腸だけ。磨きに磨いて臭みを消し、脂の旨みだけを引き出す。継ぎ足しの醤油ダレに、糸島から届く朝採りのキャベツとニラ。たったそれだけの、誤魔化しのきかない一鍋です。
四十六年。変わらない味を求めて、地元の常連も、海外からのお客様も暖簾をくぐります。「変わらないために、毎日変わり続ける」。二代目・蔵田重蔵の口癖とともに、今日もまた、夜の中洲に湯気が立ちます。
流行で味を変えず、部位を増やさず、手間を惜しまない。同じ味を守る、三つの矜持。
毎朝五時、市場から届く小腸を、職人が一片ずつ手で磨き上げます。流水と粗塩で四度、最後に焼酎で一度。下処理に三時間。だから、噛んだ瞬間、臭みは一切なく、脂の旨みだけが舌に残ります。機械洗浄は一切しません。

創業の日に仕込んだ醤油ダレを、毎日継ぎ足して使い続けています。九州産丸大豆醤油、博多の地酒、本鰹節と利尻昆布、生姜と青唐辛子。年月だけが出せる、香りと深さ。鍋を頂いた後、つい飲み干したくなる、あの味の正体です。

糸島の契約農家から、朝採りのキャベツ・ニラ・もやし・ごぼうのみを使います。前日のもの、配送に時間のかかったものは一切使いません。みずみずしさが、もつの脂を受け止め、鍋全体の重さを消してくれます。

もつ、スープ、野菜、〆。たった四つだから、一つも誤魔化さない。生産者のお名前まで記します。




昭和三十三年、博多に生まれる。父・源三の鍋を見て育ち、十九歳で同店に入る。父の逝去にあたり二代目を継承。以来三十二年、毎朝五時に厨房に立ち続けている。「もつは、磨いた分だけ正直に応えてくれる」が口癖。福岡県認定・博多伝統食継承マイスター(2019年)。
流行を追えば、味は変えなくちゃならない。
うちは、変えない。だから、変わらないために、毎日変わり続けるしかない。
ありがたいことに、たくさんの媒体さまにご紹介いただきました。最新のものから順に。
雑誌 / dancyu 2026年6月号
特集「もつ鍋の真髄」創業46年、博多もつ鍋の真打ちとして、二代目親方の手仕事を六ページにわたり特集いただきました。表紙に醤油もつ鍋の俯瞰写真。
テレビ / NHK福岡「九州人気店の流儀」
25分の密着ドキュメンタリー毎朝の小腸の手磨き、継ぎ足し醤油の壺、糸島の畑までを一日かけて密着取材いただきました。再放送:BS1 / 2025年12月。
雑誌 / Hanako 福岡特集
「中洲で本物に出会う十軒」福岡に二日いるなら、必ず行ってほしい十軒の筆頭としてご紹介。胡麻鯖と醤油もつ鍋のセットが見開きで掲載。
受賞 / 食べログ もつ鍋 百名店
2023・2024 連続選出食べログ「もつ鍋 百名店」に二年連続で選出いただきました。福岡県内からは年間 8 軒のみの選出。
ウェブ / JAL機内誌 SKYWARD
「博多、鍋の街」JAL機内誌の英語版にて、博多もつ鍋文化の代表として 8 ページの特集。海外からのお客様増加のきっかけに。
書籍 / 西日本新聞社 刊『博多の鍋』
巻頭インタビュー 二代目親方博多の鍋文化を網羅したムック本にて、巻頭インタビュー。「もつ」の歴史を語る二十ページ。
★★★★★
もつ鍋は油っぽくて重い、という先入観が、一口で変わりました。三人で行って、味噌・醤油・塩を一鍋ずつ。最後の雑炊までスープが一滴も残らなかったのは、人生で初めての経験です。
— Y様 / 東京・40代男性 / 出張
★★★★★
両親の結婚四十年のお祝いで、糸島のお部屋を。仲居さんが鍋を炊いてくださる手つきが本当に美しく、両親が涙ぐんでいました。福岡の本物を、家族に見せられた夜でした。
— K様 / 福岡・30代女性 / 家族会食
★★★★★
香港から年に二回、蔵元のためだけに福岡に来ています。何度食べても、最初の一口の香りで泣きそうになる。一鍋に向き合う料理人の真剣が、ここにあります。
— C様 / 香港 / 常連のお客様